「氣」について その4

代替医療, 自然医学, 自然療法
よく描かれる原子のイメージ

<氣の科学>

20世紀の初頭まで、自然界は「ニュートン力学」で説明され、過去・現在・未来も厳密に計算できると考えられていました(ラプラスの魔)。

その後、ニュートン力学をくつがえす「相対性理論」と「量子論(量子力学)」の正しさが次々と証明され、現代の物理や科学技術の土台となっています。

「量子」とは、地球上のあらゆる物質は分子から成り、分子を可能な限り小さく分割したときの「最小単位」のことで、電子や原子、光など自然界のミクロ単位です。

光の最小単位である光子ほか、陽子、原子核、微細な分子などは波と粒子の両方の性質を併せもっており、すべて同じ現象を起こします。

そうしたミクロの世界の物理現象を「量子力学」といい、一言で説明すると『すべてはエネルギーで構成されている』ということです。

つまり、原子核の周りを電子が高速で回転(実際には、外から来た光子のエネルギーを吸収したり放出することで軌道を変える)するために、ミクロ粒子は目にとまらず「面」にしか見えないし、手で触っても空間は感じないわけで、これが「物質」の実態です。

これとは別に、生物学の世界でもシェーンハイマーによる、よく似た発見があります。
それは、「私たちの体(臓器や組織、骨や歯や皮膚などすべて)は固定的なものでなく、たまたまそこに密度が集まっている分子のゆるい淀みでしかない。しかも、それは高速で入れ替わっている。すべての原子は生命体の中を流れ、通り抜けている」といい、この流れ(動的平衡)を止めないことが「生きている」ことになります。

ただし、量子の世界は細胞のさらに100万分の1ほどにもなる、1,000万分の1ミリメートル以下の世界ですから、細胞の分子は量子の集合体といえます。

自然界のすべてはエネルギーで構成されているのですから、生物が生命活動を行うには、当然そこにエネルギーが存在します(生命エネルギー)。
「氣」という言葉は中国文化の表現で、量子力学の用語にはありませんが、「意識・想い・思考はエネルギーをもつ」「エネルギーはミクロ粒子のふるまいに影響を及ぼす」とは、正に「氣」を言い表しています。

量子力学の実験では、「真空の中ではエネルギーから物質が生まれたり消えたりする」ことが判っており、将来的には宇宙の誕生や生命の誕生も解き明かされるのではないか、といわれています。

また、原子核の周りを取り巻く電子は、時空を超えて、私たちの住む世界以外のパラレルワールド(並行世界)のすべてに❝股を掛けている(共存)❞と考えられ、私たちが❝見る❞という行為を行ったときに❝股を掛けるのをやめ(収縮)❞現世界に身を置くようです。

したがって、「目で見る」ことをしなければ「すべての世界は繋がって」おり、瞑想や座禅、アーユルヴェーダの「意識を開く」や仏教の「悟りを開く」というのは、このような境地をいうのではないでしょうか?

それにしても、人体も含め宇宙のあらゆるものを一体と考え、「自然界全体の調和」を重視した古代東洋人の知恵には脱帽するしかありません。

Newton 2006年7月号より

※画像の出典は、Newton 2006年7月号です。
※参考文献:Newton 2006年7月号(量子論)、福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」

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