いまから50年ほど前までの日本の食卓には、味噌汁と梅干しは必ず見られたのではないでしょうか。
どちらも発酵食品で、特に梅干しは古くから薬効のある食品として、日本人の生活に深く入り込んでいるものでした。
ところが、1965年に塩の製法が変わり、精製塩に一本化されてから、高血圧との関連性によって敬遠されようになってしまいました。
そして、近年では甘い梅干しが主流となり、しかも添加物のあるものが多く、価値の無いものになっています。
こうした食餌内容の変化は、日本人の体質が年代を追うごとに悪化していることと深く関係しているのは間違いありません。
元来、梅干は中国においては薬膳に用いられ、日本でも様々な自然療法に使用されてきた歴史があって、いまでも食事療法には欠かせない食品の1つです。
ただし、食事療法および自然療法に使用できるような良質の天然塩を使った梅干しは、いまや自然食品店または通販でしか手に入りません。
梅干の薬効は言葉に尽くせないほどあって、毒消し、殺菌、血液浄化、疲労回復、免疫力アップ、細胞活性化、がん予防、腸の機能回復・・・等々と、それらの効果は古ければ古い梅干しほど高くなります。
食事療法では、この良質な梅干しを食事のたびに必ず召し上がっていただくのですが、下記のように自然のお手当てにも頻用します。
●梅番茶(腹痛、整腸に):熱い無農薬の番茶に梅干し1個を入れ、実と共に飲む。血行促進、排毒、疲労回復、貧血にも良い。
●梅生番茶(胃腸障害、食欲増進、疲労回復):熱い無農薬の番茶に梅干し1個と卸した生姜少々を混ぜて飲む。
●梅肉エキス(万病に):青梅を陶器の卸し器で卸し、すり鉢ですって、金属ではない鍋でアメ状になるまで煮詰める。あらゆる不調時に、大豆粒くらいを1日に3~4回飲むと良い。(自然食品店で購入できます。梅干しではありませんが、常備薬としてお勧めです)
昔から、「朝の番茶に梅干し1個」は健康の素といわれてきました。
現代では忘れ去られているかも知れませんが、上質な梅干しと無農薬の三年番茶を常備しておくと、何かにつけて役に立ちます。
※参考文献:国際自然医学会「自然医学の手当法」、あなたと健康社「自然療法」
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pingback リンゴについて | 食養生すこやかの会 says
2019年6月9日 at 6:28 PM[…] 例えば、疲労困憊されている方に「梅干しをどうぞ」と申し上げると、「あ、クエン酸ね」といわれます。 […]