塩について その1

自然医学, 食品

食事について尋ねられるとき、私はよく「水と塩を良いものにするだけで、食生活の半分は改善します」と申し上げています。

私たち人類を含む様々な生物は、単一の生命から進化していったことが判っており、その生命は海から出発しました。

地球は約46億年前に誕生し、灼熱のマグマの海が徐々に冷やされ、120℃余りになった40億年ほど前に、最初の生命である微生物が誕生しました。

その後、その生命体は永い年月をかけて進化し、次々と分化を繰り返しながら多様な生命を生み出してきたことは、いまでは周知のこととなっています。

人類の歴史は500万年足らずですが、陸上生活に入るために体内に血液(体液)という形で海水をとりこんだと考えられています。

海水中には、生命の発生と維持に不可欠な成分が溶け込んでおり、ヒトの胎児は母親の胎内にある「羊水」という海の中で、30億年分の生命の進化の過程を10ヶ月で再現していることになります。

そこにある元素は、人間の能力で検出できるだけでも約70種類、検出不能な微量成分は自然のバランスに則って含まれており、人工的に作ることは出来ません。

そのことを証明したのはフランスの生物学者ルネ・カントンで、1897年、愛犬の血液を海水に入れ替えるという実験を公開の場で行いました。

彼の愛犬は手術のダメージが去った数日後には元気になり、「海水こそ、生命を生かす源である」と結論付けています。

この実験の成果により、フランスでは海水を用いたタラソテラピー(海洋療法)が確立され、その後、パスツールが脚光を浴びるようになるまで、ルネ・カントンは海水を使って多くの患者を救ったといわれています。

自然医学の森下博士も、昭和20年代後半に大学の研究室にて、自然治癒力を賦活する「プロパージン」という酵素が、塩が無ければ活性化しないということを突き止めておられます。

私たちの体は、細胞内液と細胞外液がそれぞれある一定のミネラル濃度をもち、生命活動に必要な浸透圧を保っています。

そして、細胞外の血液成分は海水とほぼ同じ組成をもって細胞内に働きかけていることは、ルネ・カントンがヒトの白血球が海水中では生き続けることを実験で確認し、立証しています。

つまり、海水と同じ組成をもつ自然塩は新陳代謝の主導権を握っているわけで、これが塩化ナトリウム(NaCl)だけをターゲットに精製した食塩で代用することは、とても大胆なことだと言わねばなりません。

 

※参考文献:自然医学誌「生命と塩」

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