老化について- 難聴

生活改善, 老化

耳は、使えば減る器官です。

学生時代に目にした書物に、「音の無い島に住んでいる民族がいて、彼らは遠くで見えない動物の音も聴き取って狩りをする」とありました。

私の長女は、それをいつも聞かされていたために、小さいときからテレビやラジオの音を最小限にする習慣があり、超人的な地獄耳でした。

しかし高校生くらいになると、電車の中でイヤホンをして音楽を聴くなど、耳を酷使しておりましたので、恐らく昔ほどではないに違いありません。

加齢性難聴は、生まれたときから使い続けてきた聴覚器官の宿命といえましょう。

ただ、現代は加齢性を待たず、ストレスや疲労による「突発性難聴」になる若者が増えていて、悲しいことです。

加齢性難聴の予防は、まず日常の身の周りの音を最小限にすることです。
そしてここでも、組織の修復に有利な、きれいな血液をつくる食事と血流を促す運動が、効を奏するはずです。

中医学では、腎は耳と密接な関係があり、腎が耳を養うとしていますので、腎機能を高めるためにも適度な運動は良いでしょう。

もし耳が遠くなったとき、補聴器については二通りの考え方があると思います。

前回の老眼の項と同様、私たちの体は時間帯や気候、体調によって常に変化していますので、単に音を拡大する補聴器はかえって難聴を進行させることにつながります。

そして、聴こうとする「意識」は、聴力を高めます。
音の無い島の原住民は、何も聞こえない環境で音を聴こうとすることで、極めて高い聴力を獲得できたのではないでしょうか。

加齢性難聴の方には、低い声で話すとけっこう会話が成立します。低い声はエネルギーが強いので、最後まで聞こえやすいようです。

私は、安易に補聴器に頼るのはお勧めしておりませんが、難聴が原因で引き籠りや周囲から孤立するとしたら、その方がずっと健康にも人生にも良くありません。

周囲の人と交わり、楽しく活動することは生命力を高めますので、補聴器でそれが叶うのなら必要なのだと思います。

最後に、私の食指が動いた補聴器が1つだけあります。

10年以上前、シンコムという会社の方にお会いしたとき、オーダーメイドの補聴器のことを伺いました。
聴覚を細かく検査して、その人の聞こえにくい周波数を特定し、その周波数の音だけを増幅する補聴器です。ただしオーダーメイドですので、当時は1個で約100万円と高価でした。

この先どうなるのかは分かりませんが、ながく生きていると、いつかお世話になることもあるのだろうと思います。

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