体内時計について

生活改善

前回、朝日や夕日に伴う身体の変化について触れました。

40年近く前、生物学のおもしろい実験について書かれた文献を読んだことがあります。

「多数の成人を、日光の無い暗い部屋で生活させると、ほとんどの人が24時間よりも少し長い周期で1日のリズムを刻む」というものです。

つまり、私たちは外界の光に影響されない空間でも、生物学的な1日のリズム(体内時計)があって、そのリズムを日照の有無による「24時間周期」に「前倒し」して生活しているという内容でした。

特に面白いと感じたのが、「だから、休日に朝寝坊をするというのは、『前倒し』分をリセットしていて理に叶っている」という一文でした。

この実験は、生物時計(体内時計)に関する研究が始まった初期のものだと思われ、分かりやすく現実的です。

最近は研究が進み、脳内のメカニズムについては興味深いものの、様々な人がそれぞれの主張を行い、健康や医療と同様、かえって混乱しやすい印象を受けてしまいます。

そして、体内時計を理由に「朝食を摂らなければならない」との主張が多いようですが、昨年の本ブログ「朝食について」で書いたように、胃袋の小さい子供を除いては朝食には特別な意味は無く、同様のデータは海外でも散見されます。

特に疑問に思うのは、冒頭の実験は近年のものですから、被験者たちは朝食を摂っているものと考えられ、それでも「ほとんどの人が24時間よりも少し長い周期で1日のリズムを刻む」のは、どう説明されるのでしょうか?

1つのテーマに研究者が増えてくると、どうしても細かいところに分け入り、注目を得るためか「〇〇せねばならない」との主張が増えてくるように感じます。

新聞などでも、「夜の入浴は就寝の2時間前」とか「散歩は速足で30分以上」などと目にしますが、そのように縛られるほうが実践しにくく、大切な「楽しむ」要素が減ってしまう気がします。

私は就寝前の入浴をお勧めしていますが、要は、ゆっくり温まってリラックスできれば睡眠モードの神経が活発になって良い睡眠が得られやすいからで、シャワーではリラックス効果を期待できません。

現代人の生活は多様ですから、それぞれの方が気持ち良く入眠できる習慣を身に付けられれば、それで良いのではないでしょうか。

不眠症の場合は、その方の環境・生活リズム・食生活のうち、その方にとって最も優先度の高いものから改善するようお勧めしています。

散歩に関しても、まずは「動くことが大切」なのであって、私がご相談を受けたときは「気分よく歩いて、疲れたら休む」、「体が慣れて、自然に休む間隔が伸びてくれば良いですね」と申し上げています。

目的をもって体を鍛えるのは、その次の段階です。

「〇〇せねばならない」を実践しても、それですべてが解決するはずはありませんから、外からの情報に振り回されるよりも、自分の「体の声」を聴きながら心身をレベルアップするのが間違いがないと思っています。

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