久司道夫氏

食養生

アメリカの食事療法で、忘れてはならないのが久司道夫氏だと思います。

久司氏は、マクロビオティックの創始者である桜沢如一氏のお弟子さんで、アメリカへ渡り「クシマクロビオティック」としてマクロビオティックを広められました。

先のブログでご紹介したバリー・シアーズ博士も、もしかしたら参考になさったかも知れません。

マクロビオティックについては、私は自然医学の周辺知識として知っただけで特に詳しいわけではありませんが、中医学とは別の陰陽論をもつ玄米採食の組織です。

「マクロビオティック」とは桜沢氏が考案された造語で、「マクロ」と「ビオティック」を合成して「偉大な生命」などと訳され、健康長寿を意味するようになったそうです。

桜沢如一氏は、明治時代に食養・食育を提唱し日本の食医(*)といわれた石塚左玄医師の直弟子であられ、自然医学の森下敬一博士とも交流がありました。

桜沢氏は「昭和の怪物」といわれたほどの優れた方だそうで、様々なエピソードを森下博士は敬意をもって話しておられました。

桜沢氏のマクロビオティックは、フランスをはじめヨーロッパで普及し、米国でも久司氏と共に普及活動を行われたそうですが、いつしか「クシマクロビオティック」として定着していったようです。

桜沢氏は、久司氏のアメリカでの活動を温かく見守っておられたそうで、ヨーロッパやアメリカで富裕層を中心にベジタリアンが増えていったのも、両氏のご活躍が大きいかも知れません。

ただ、私たち食養生を知る者たちの間では、久司氏の話題は殆ど聞かれませんでした。

マクロビオティックの友人から聞くところによると、桜沢氏の造語である「マクロビオティック」に、ご自身の名前の「クシ」を冠に据えたことが、歴史を知る人たちにとっては不遜な行為に思われたようです。

私が久司氏についての話題を耳にしたのは、九州にある日本ビワ温圧療法師会の島田会長のお話からでした。

久司氏のお嬢さんがガンに罹り、ビワキューの治療をして欲しいとアメリカに呼ばれて施術したものの難しかった、という内容だったと思います。

その後、奥様もガンで亡くされ、ご自身もガンで亡くなられました。

たとえ身内でも「食に対する考え」は変えられませんので、お嬢様や奥様は別としても、指導者である久司氏のガンはお弟子さんたちにとって辛いことだろうと思います。

ガンは生活習慣病の極地であり、それらの予防や治療は食養生の得意とするところです。

そうしたことを考えると、どんなに理想的な食事をしても、多くのひんしゅくを買うことは「氣」の流れを悪くし、心身の健康に良くないだろうと思ってしまうのです。

(*)食医:食事で病気を治す医師のこと

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