自然医学について

代替医療, 自然医学

同じ食養生でも、自然医学はマクロビオティックと少し趣を異にします。

医師で血液生理学者の森下敬一博士は、「食べ物が血液を造り、血液が細胞を造る」というお考え(腸管造血説)のもと、食医であった石塚左玄の食養生を摂り入れられたのではないかと思います。

つまり、通常の自然医学と異なり、理論から始まって「自然医食」が確立されたのではないでしょうか。

私の経験では、現代医学の医療機関に身を置いて2年もすると、よほど鈍感でない限り疑問をもつはずだと思っています。

もちろん、現代医学の技術的な発展は素晴らしく、私たちは多くの恩恵を被っています。

しかし一方で、総合的な視野や生命の真理が置き去りにされ、慢性病を治すことができないばかりか、その治療の過程で余病をひき起こしたりしています。

森下博士は、現代医学の不合理性のひとつである骨髄造血について、1951年にヒキガエルの血液観察で発見されたある現象を皮切りに、多くの実験と観察を重ねて論文にまとめ、生理学会総会などで発表されました(千島・森下学説)。

しかしそれは、医学会からも学術雑誌からも拒否されたのは言うまでもありません。

ところが昨年(2018年)11月、米コロンビア大学の研究者らによって腸管造血が確認されたと発表され、実は日本で、今から半世紀以上も前に発表されていたことを記しておきたいという想いです。

森下博士は、1960年にそれまでの研究内容と血液観察像を「血球の起源」という論文集にまとめ、さらに森下自然医学理論を確立されました。

そこには、すでにES細胞の概念も、生物の進化や適応をもたらす流動的なシステムについても述べられています。

その18年後の1978年に、ワシントンのバスター(Bastyr)大学で「ナチュロパシー」として米国自然医学の教育が始まり、医療機関も併設されて世界に広がりつつあります。

しかし、自然療法や伝統医療を採り入れた通常の自然医学は、よって立つべき理論に乏しく、森下自然医学は理論がシッカリしていることが強みです。

2005年1月末、米国自然医学アジア代表の方々が森下博士の研究所へ来訪され、施設を見学された後の座談会で協力依頼などがありました。

その時に森下博士は、「アジア代表の方々でアメリカを変え、それがヨーロッパ、東洋に波及して、周りが総て変わったら最後に日本も変わることでしょう。日本は、そういう国です」とおっしゃっていました。

そのころには、もしかしたら森下自然医学理論を伝える人は誰もいないかも知れないと思うと、とても残念でなりません。

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