声について

生活改善

私は子供のころから、腹筋と握力が人並み以下でした。

そんな私が社会に出て、仕事の傍らシャンソン・カンツォーネにのめり込んだ時期があります。

その中で出産を控えたとき、「歌い手に難産はいないし、産後の腰痛もない」と聞かされました。
確かにその通りで、いつの間にか多少なりとも腹筋が鍛えられたようです。

「歌はスポーツ」と、私がいつも皆様に申し上げているのは、そうした理由によります。

また、声というのは、気質(性格ではない)や生命力が表れるもので、伝える意思の明確な人は声も明確な場合が多く、生命力あふれる元気な子供の声は大きく張りがあります。

ですから、抗ガン剤治療などで体力が衰え、運動はもちろん動くこともままならない方には、新聞を読む時などブツブツとでも声を出すようお勧めしています。

疲れたらやめれば良いので、毎日そうしていると少しずつ声が出るようになり、ご本人も元気が出てきたと自覚されるようです。

抗ガン剤治療を始められた方には決して薬害のことは申し上げず、いま出来ることとして、次に「ご飯の粒を舌で感じなくなるまで嚙む」ことをお勧めすると、前向きに実行される方は功を奏するようです。

声について、以前、東京のスポーツクラブで教えられたことがあります。

プログラムスケジュールが大きく変わり、積極的に受けたいものが無くなって、バーベルをやってみたら意外に楽しかったのですが、ハードな時にコーチの方が「♪声の力で何とかなります♪♪」とリズミカルにおっしゃって、皆が声を出して持ち上げるのです。

私の知識では、肺を囲む胸腔というのは陰圧になっていて、通常の呼吸は横隔膜を緊張させることで陰圧を増して肺を広げ、気道から空気を流入(吸気)させ、呼気は横隔膜の緊張が緩むことで受動的に行われます。

通常の呼気以上に吐けるだけ吐いても(最大呼気)、力が出るということはありません。

「声を出すと力が出る」とは、運動関係では学ぶのかも知れませんが、呼吸生理の学問では聞いたことがありませんでした。

呼気と発声の違いは、平静呼吸は無意識に行われ、発声は意識して行われるもので、いわゆる「気合を入れる」というのは下腹(丹田)に力を入れ、お腹から声を出すということでしょう。

人間の総てを支配するその人の「意識」が、「頑張るぞ」と気合を入れるとき、生命エネルギーは飛躍的に高まるに違いありません。

『大きな声は脳を刺激してアドレナリンが・・・』などという説明もありますが、それは生命現象のほんの一面であって、先に意識があり、その意識がどれだけ私たちの体に影響を及ぼすかというのは、一部の回路や物質で説明できるほど単純ではないと思います。

 

※画像の出典は、医学書院「呼吸とその管理」より

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