糖尿病は自覚症状が少ないことから、危機感をもたれない方が多いようです。
2007年9月の朝日新聞に、糖尿病患者は他の疾患の罹患率も高いという記事が、一面トップに掲載されておりました。
私は昔から「糖尿病は代謝障害ですから、何が起こってもおかしくありません」と申し上げていて、血液の流れも悪いため、関連する疾患は更に多様なはずですし、症状がこじれてくると鬱(うつ)症状も起こしやすくなります。
約3年前の夏、ご家族と旅行に来られた年配の男性から、血糖値が高いとのご相談がありました。
たしか、薬は飲んだり飲まなかったり、と伺ったような気がします。
病気治しの生活改善というのは、ガンのような緊急性のあるものは別にして、その方に合った優先順位があると感じています。
なぜなら、人は心も体も突然を嫌いますので、様々な問題点を一気に改善できる方はいらっしゃいません。
そこで、改善すべき点が多々あっても、その方の生活の中で優先度が高く、実行しやすいと思われることを1つだけ優先課題として申し上げるようにしています。
その男性の食生活を伺うと、牛乳が大好きで、毎日2リットルの牛乳を飲んでおられるとのことでした。
そこで、「毎日『2リットルの牛乳』を『2リットルの豆乳』に替えることは難しくありませんよね」 と申し上げて、マルサンかイオンブランドの有機豆乳・無調整で飲みやすいものを紹介いたしました。
冷たい豆乳は体を冷やしますので、糖尿病の方が飲み過ぎて良いわけではありませんが、この方には大きな改善になると思ったからです。
それから1ヶ月近く経ったでしょうか。その方からお電話をいただきました。
それによると、「毎日の牛乳を豆乳に替えたら、血糖値が下がりました。今度は、ご飯を玄米に替えてみます」とのことでした。(数値は忘れてしまったのですが、たぶん糖尿病域から境界域に下がったと思います)
これまでの経験でも、チョットした生活改善で数値が良くなると、更に改善へ向けた努力が可能なようで、そうした方は特に男性に多いように見受けられます。
日常の健康意識は圧倒的に女性の方が高いのに、いざ病気を治すという段階の生活改善に至っては、なぜか男性の方が理解が早く意思も強いように思われます。
もちろん総てではありませんが、なぜだろう・・と、つい思考を巡らしてしまいます。