お酒について

自然医学

前回、タバコよりも化学物質や車の排気ガスのほうが、はるかに有害であることに触れました。

そのことは、かつてのアメリカで、車産業を守るために、矛先を排気ガスからタバコに向けさせたといわれています。

砂糖についても、砂糖業界の圧力で健康被害に触れることは無く、化学物質の毒性やIHの電磁波被害が語られなくなったのも同様でしょう。

それは、産業を活性化させることが世界経済における自国の発展に繋がり、私たちも恩恵を被っていることから、致し方ないというべきでしょうか。国民の嗜好品なら、国際経済の競争には影響しにくいのかも知れません。

タバコが諸悪の根源ではないと示唆されたら、次は何になるのだろう・・と常々思っていたところ、昨年末に東大研究チームの発表として「少量の酒でもがんリスク」という記事が新聞に掲載されました。

この論文の概要を見てみると、「現在、日本の死因の第 1 位はがんであり、がん予防のため、飲酒によるがん罹患リスクの啓発活動をさらに強化する必要がある」と述べています。タバコは何だったのでしょう?

そもそも、天然の植物でも相反する作用を併せもつように、どんなものにも多面性があります。食べ物の一面を採り上げて「○○が△△に良い」とされる総てを食べるとしたら、一日中食べ続けても追いつきませんし、「○○が□□に悪い」と言って全部を避けるとしたら、口にできるものは無くなります。

お酒も、ライフスタイルや飲み方によって百薬の長にも毒にもなるでしょうし、お酒自体の質もピンからキリまで様々なはずです。

自然医学の森下博士が、同じく医師であられたお父上に「『酒は高いものを飲め』と言われて育ち、それだけは感謝している」と、いつもおっしゃっていました。私もお酒が飲めるようになって、その意味が解ります。

戦後、お酒の無い時代にはエタノール(消毒などに使うもの)を薄めて飲んだといわれており、間違ってメタノールを飲み死亡したという話も伝わっています。

日本酒には、純米のものと、醸造アルコール(エタノール)を添加したものがあり、ときに間違ったり騙されたりして醸造酒を飲むと、私は必ず、数回にわたって激しく嘔吐してしまいます。

アルコールは最初に胃で吸収されますから、どうやら第一段階で体が拒否するような毒性があるのだと思います。熱燗なら吐きませんので、毒物は加熱によって揮発するようです。

このように、一口に酒といっても、アルコールの量の問題ではなく、毒性も考慮すべきではないでしょうか。

ワインには殆ど防腐剤が入っており、防腐剤の無いワインを飲み慣れていると、たまに普通のワインを口にしたとき苦みを感じます。

ビールにしても、日本では麦芽100%のものは数えるほどで、それ以外は遺伝子組み換えのコーンスターチが添加されていますし、発泡酒や缶チューハイに至っては添加物だらけで、一部を「危険ドラッグより怖い」と指摘する精神科医もいらっしゃいます。

ウイスキーのことは分からないのですが、安価なものは熟成期間が短いためアセトアルデヒドが多いとか、ストレートで飲むと喉や食道に刺激が強すぎるといわれています。

もし、総てのお酒を盲目的に悪いと決めつけるとしたら、タバコと同様「先に悪者のレッテルありき」のように思えて、イジメの心理と変わらないのでは・・と思ってしまいます。

極めて総合的な問題である健康や生活習慣病について、アルコールなど単一の要素にとらわれて次々と排除していくとしたら、ピントのズレた袋小路に入って行きそうな気がします。

情報が溢れすぎている現在、やみくもに断片的な情報に振り回されるのではなく、伝統や心の問題も含めて現状を冷静に観察し、総合的な視点をもって考察していきたいものです。

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