健康を論ずる方で、心ある人ならば、自分の身体を実験台にするのが常だと思います。
そうすれば必ず結果が出るわけで、その人がもし何か病を得たならば、その健康論はどこかに誤りがあるといわねばなりません。
そうした目で、私がこれまでに出会った様々な健康論者を拝見して、特定の器具を使って素晴らしい健康長寿を達成された方が2人いらっしゃいます。(食養生をはじめ、総合的な健康理念で無病を実現しておられる方は別にします)
お1人目は、平成24(2012)年にお目に掛かったとき94歳でいらっしゃた、医師の故・広藤道男博士です。
広藤博士は、世界的に有名な生化学者の故・高田蒔博士が発明された電子負荷治療器(タカダイオン)の臨床試験をすべく、生涯を掛けて取り組まれました。
そして健康維持のためにも、ご自身とご家族の皆さんで使い続けてこられたそうです。
94歳当時も、頭脳明晰かつ好奇心旺盛でいらっしゃって、話の流れで「特異動的作用」という食後の不思議な熱産生が気分にも左右されることや、「ソマチッド」という微小生命体のことをお話すると、身を乗り出すように興味を示されて、資料を送ってほしいと望まれました。
タカダイオンというのは、高田博士が太陽黒点の多い年に人間の活動が高まることに着目して発明された、皮膚から電子(e–)を入れる機械です。
「還元」とは「電子(e–)を与えること」ですから、究極の還元機器といえるでしょう。
タカダイオンが日本で初めて電子治療器として厚生労働省の医療機器の承認をとり、その後多くの「電子治療器」と称する家庭用医療機器が出現しましたが、原理的に似て非なるものでしかありません。
世界中の電気は交流で送られていますので、機器の中で直流に変換しなければ電子(e–)を送り続けることは不可能ですが、後発の電子治療器と称するものは交流のままであり、しかもタカダイオンの数倍の価格だったりします。
広藤博士は、健康維持なら300Vで1日1時間、高齢者や子供は電圧も時間も減らし2~3日に1回が良いとおっしゃっていました。
そして、私がお目に掛かった翌年、夏バテとおっしゃって一時入院され、退院後何ヶ月かして老衰でお亡くなりになりました(享年95歳)。
広藤博士が最初に電子治療の効果を実感されたのは、広島の原爆投下後に原因不明の倦怠感で「怠け病」などといわれた人たちが回復されたことだったそうで、様々な病気のほか、なぜかうつ病にも良いとおっしゃっていました。
ちなみに、広藤博士は少食ながら普通の日本家庭のお食事だったそうで、たいへん時間を掛けて召し上がっておられました。
広藤博士の健康長寿は、電子負荷療法だけでなく、タカダイオンの臨床研究に対する使命感も功を奏したと察せられますが、生涯健康で頭脳明晰のまま大往生された方として、私の印象に深く刻まれました。
※広藤道男博士の写真は、2012年の取材の折りに撮影したものを、ご子息の許可を得て掲載しました。
Comment(1)
pingback ステーキこもごも | 食養生すこやかの会 says
2020年9月20日 at 4:49 PM[…] 以前ご紹介した故・広藤道男博士も、お食事は肉魚にこだわらず普通の日本家庭のメニューだったそうで、病を得ることもなく95歳で大往生されました。 […]