酸性水について

生活改善,

いまから20年ほど前だったでしょうか。ホームセンターやスーパーに、水を電気分解して得られた「酸性水」というものが並び、最も安全で除菌効果が高いとして販売されました。

当時、東京の病院で手術室の消毒にも酸性水に切り替えるところが出て来て、私も愛犬の汚物関係に使用したものです。

ところが、なぜか数年で販売店からことごとく姿を消してしまいました。

効果が無い、などという文献は目にした記憶がありませんので、理由が判らず、「安価で安全で効果的、しかも家庭で手軽に作れる」ことから、薬品会社の利益を阻害したのだろうか・・などと想像しました。

以前は酸性水または電解酸性水と呼んだのですが、しだいに次亜塩素酸水と紛らわしい呼び名になって、今回のコロナ禍で消毒薬の不足から、再び出回るようになっています。

政府が否定的だと、それに沿った論文が出やすいので、それ以前の論文を調べてみると、当初は多くの報告がなされており、最近では2015年の学会ワークショップのものもあって、否定されたわけではないようです。

否定されるどころか、それらの論文には、殺菌効果物質の理想として「微生物に対して最大限に作用し、生体細胞への影響は最小限にする」ことと、自然環境に対する配慮からも、酸性水と既存の消毒薬を使い分ける適正使用を促しています。

市販消毒薬と酸性水の毒性試験では、培養細胞では酸性水は毒性が認められないが消毒薬は顕著な毒性が観られること、モルモットの創(キズ)治癒過程に電解水を使用すると損傷しないのに対し、消毒剤はどの製剤も炎症面積が優位に大きくなったと述べています。

酸性水とは、水道水の電気分解によってアルカリ水(水素水)の反対側に得られる水で、pH2以下を強酸性とするならば、弱酸性~強酸性の性質をもっています。

酸性水の本体は、水道水の分解で得られる塩素イオンの生成物であるHCIO(次亜塩素酸)、あるいは塩素と酸素系の酸化力を有する物質と考えられ、pH2.7付近で塩素量5ppmでも効果を発揮しますが、発癌性のあるトリハロメタンは発生しません。

ちなみに、次亜塩素酸ナトリウムを水に溶かした場合、酸性水の10倍以上の塩素濃度が必要です。

なお酸性水の生成は、メーカにより電気分解の条件も異なるので様々ですが、pH2.7前後が最も有効で、電気分解を促すために塩を加えることが多いようですが、塩が溶けきれずに残っていると殺菌効果が落ちると報告されています。

私はミネラルが存在すれば電気分解するはずだと考えていますので、塩を添加するのはあまり好きではなく、実際に三洋の開発した機器(ウイルスウォッシャー)では、塩など添加しなくても充分なデータが得られています。

10年余り前、私が愛用しているトリムの整水器は、カートリッジで塩素を除去しているはずなのに、酸性水は酸性成分が強く、塩素系成分も水道水より濃いと問題になったことがあります。

もちろん他の大手メーカーも名を連ねていましたが、水道水は1ppm以下で酸性水が5ppmなら酸性水生成の理に適っているのですが、なぜそのようなことが起こっているのか私には分かりません。

※画像の出典:岩澤篤郎「電解酸性水(次亜塩素酸水)の生物学的特性」より

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