玄米について- 1

自然医学, 食品, 食養生

<食物の真意>

総ての動物は、食べなくては生きていけません。

太陽をエネルギー源として生きられるのは植物のみで、それらも数万年、数百万年と永い年月で、その土地の自然に定められた法則の中で生きてきました。

そして、その土地に住む民族は、それらの植物を食ベて永い歴史の中で生命を繋ぎ、固有の体質、固有の民族性を育んできたわけで、同じ人間でも、国によって食物が違えば、顔かたちまで変わります。

つまり、「食あっての命」であり、人間が食物を作るのではなく、食物が人間を造るというのが、食物の真意であって、自然に定められた法則です。

これまで私は、玄米そのものに関する執筆を避けてきました。

それは、故・森下敬一博士の膨大な書物から学んだり、多くの人たちや自分自身を観察して気づいたこと、違う分野の研究者の文献から知ることなど、玄米に関する私の知識が、まだ発展途上にあると思うからです。

現代医学・栄養学では、成分が明らかにされており、それは調べればすぐに分かることですので、後回しにしたいと思います。

私が自然医学に入った20年余り前、森下博士が患者さんに対して、「玄米が、美味しいと思える身体が良い身体」と、よくおっしゃっていました。

その意味が、初めはよく解らなかったのですが、患者さんを見ているうちに気が付いたことがあります。

癌の患者さんが食事療法を始められ、途中から「どうしても玄米が食べられなくなりました。蕎麦や他のものは何でも食べられるのに、どうしても玄米だけがダメなのです」とおっしゃる場合があります。

すると間もなく、その患者さんは坂を転げ落ちるように状態が悪くなり、亡くなってしまいます。

私は、「なるほど、こういうことなのか・・」と思ったものです。

食養生の流れを汲むマクロビオティックの会長、故・勝又靖彦氏は、玄米を「世界一美味しい」とおっしゃいます。

自然医学はマクロビよりも幅が広く柔軟性もありますので、私は「世界一」と言えないのですが、とても美味しいものだと思います。

最近になって気付いたのは、20年以上前から私の昼食は玄米なのに、夜は重い感じがして、夕食の主食は日本蕎麦が多かったのですが、今年に入って、なぜか夜も玄米が食べたくなった不思議な事実です。

確かに、東京にいたときよりも抵抗力が上がり、毒物のセンサーも敏感になったように感じており、原因は、空気がきれいなこと、運動量が増えたこと、東京での慌しさを捨て去り、田舎の人間らしいペースで生活するようになったこと、ではないかと分析しています。

ときに、未病の方に玄米をお勧めすると、「どうしても好きになれない」とか、「食べてみたけど腹痛を起こす」、或いは「貧血になる」と言われる方がいらっしゃいます。

そうした方には無理に玄米を食べないで、白米に雑穀を混ぜるとか、分づき米をお勧めしています。

それは、玄米が体に合わないというよりも、「玄米に至る前に、もっと優先して改善すべき点がある」と、私は考えています。

 

※参考文献:森下敬一著 フードコンサルタントテキスト「食養料理概論」

Comment(1)

  1. REPLY
    pingback 玄米について- 6 | 食養生すこやかの会 says

    […] こうしてみると、本シリーズの初回に申し上げた、人間が食物を作るのではなく、「食物が人間を造る」という食物の真意の再認識に至り、玄米の話題は、ここでひとまず終了したいと思います。 […]

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