健康診断

生活改善, 自然医学

元来の検査というものは、体調に違和感を感じたときに、疾病の有無や病名を特定するために行われました。

やがて企業の従業員の健康管理のために健診が行われるようになり、その後、健診センターがクリニックのビジネスになることから、多くの医療機関が健診カーも含めて健診センターを併設するようになりました。

それらの供給を満たすために、健診契約の仲介業者まで乱立し、あげく、大正初期に本格的に採り入れられ病気を増やし続けてきた現代栄養学の食事指導まで付いてきます。

健康診断の大合唱で重症化する病気が減ったかというと、決してそうではありません。

私自身は、体との会話が最も重要だと考えており、それをチェックする意味で、年に1回の血液検査だけで充分と思っています。特に生化学検査のデータは情報量が多く、大まかな食事の傾向まで判るものです。

何ごとにも原因があって結果がありますので、食事と心を含めた生活パターンから結果は予測でき、それを確認するために何らかのチェックがしたいとは思います。

武蔵国分寺公園クリニックの名郷直樹(なごう なおき)院長は、現代の健診や治療のあり方に警笛を鳴らし、「65歳を過ぎた人に定期検診は必要ない。むしろ受けると不幸になる」と断言しておられます。

共感を覚えたのは、「検査にはあいまいな判定や間違いもあり、『絶対』といえるものではない。健診・検診が有効かどうかも実はよくわかっていないのだ。むしろ早期発見しないほうがいいがんを早期発見してしまうと、かえってデメリットがある」というものです。

65歳以上では薬剤の治療効果も落ちるようで、2015年1月12日「JAMA Internal Medicine」オンライン版で、米イエール大学内分泌学助教授らも「高齢者の糖尿病患者に強い薬を使うべきでない」というコメントを発表しています。

彼らは、2001~2012年の全米健康栄養調査から、65歳以上の 糖尿病患者1288例について分析したところ、「多くの患者が低血糖のリスクにさらされる薬を使用していたにも拘らず、10年たっても健康状態に改善は見られず、薬剤の効果は得られないことが証明された」としています。

山田真という素晴らしい小児科医の方がいらっしゃって、赤ちゃんのウンチで一喜一憂するお母さんに対して、「私たちはウンチを育てているのではありません。赤ちゃんを育てているのです」と何かの本に書いておられました。

近代医学の内科治療は、どうにも検査数値を育てているように思えてなりません。健康診断にしても、本質は同様です。

私が健康診断の代わりにお勧めするのは、体の声を聴く習慣をつけるか、信頼できる家庭医をもつことです。

東京にいたころ、15年に亘り歯垢の除去と口内チェックで、年に数回通っていた歯科医院があります。

その歯科医の方は観察力も優れているのでしょうが、僅かな変化も見逃さず、大事に至る前に説明をして下さって、何度か助けられました。

人工的なガイドラインで一律に判断される健診よりも、自分の体の訴えを見逃さない主治医をもつのが幸せだと思います。

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