アトピー性皮膚炎

病気

アトピー性皮膚炎の原因は実に多様で、食べ物だけでなく、環境、化学物質、ストレス・・・と様々なようです。

お子さんのアトピーで自然食に目覚め、自然食のビジネスを始められる方や、発達障害のお子さんの親御さんが、自然食に変えて発達障害が改善したといわれる方もいらっしゃいます。

確かに、体質もメンタル面も食べ物の影響は大きいものの、それは基本であって、そこを越えてストレスを抱え込む人は食事だけでは解決できません。

例えば、自然医食を学び食べ物は良いはずなのに、もう少しのところで完治しきれない方は、周囲に余りにも気を遣う性格であったりします。

アトピー性皮膚炎の治療で最も印象深かったのは、20年近く前に伺った、当時東京女子医科大学教授であられた川島眞氏のお話です。

川島教授は、医院を開業しておられる小林医師の観察をヒントに、アトピーの患者さんの話を時間を掛けて聴くことを試されました。

すると患者さんは、「こんなに私の話を聴いてくれた病院は初めてだ」と例外なく涙を流し、川島教授と「1週間だけ、かゆくても掻かない」と約束し、保湿剤クリームだけをもらって帰宅されます。

1週間後に再診された患者さんは、全員アトピーが改善していたという驚くべきお話で、重症の成人患者では「心のケア」が大切だと述べておられます。

基本的な体質として自然医学からみると、消化管は口から肛門までを貫通して皮膚と地続きになっていますので、皮膚が荒れるということは消化管が荒れており、消化管がきれいな人は皮膚もきれいなはずです。

分子生物学からみた「消化の意義」とは、植物も動物も総てがもっている蛋白質のアミノ酸配列は、それぞれの生物が個々に特有の働きをするための情報を担っており、他の生物を食べた時、他者の蛋白質情報を解体して自分に適合した形に再構築することが消化の最大の目的だとしています。

この情報解体が充分でないと、別の生物がもっていた情報が自分の体に干渉し、害を及ぼしてしまいます(自分に近い生物ほど完全に情報を解体するのは難しく、干渉が強くなります)。

特に赤ちゃんは免疫系の整備に時間が掛かり、母乳から離乳食へ移行するには、消化管の防御システムが完成した後でなくてはなりません。

しかし近年は、離乳食の時期が前倒しされ、消化管の防御システムが未完成のうちに他の生物を起源とする外来タンパク質を摂り、充分に「消化」されないまま体内に入った食物タンパク質分子が、食物アレルギーやアトピーの引き金になり得る危険性が指摘されています。

 

※参考文献:福岡伸一著「もう牛を食べても安心か」

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