潰瘍性大腸炎とは、腸の粘膜に慢性の炎症や潰瘍を起こす原因不明の疾患(炎症性腸疾患)で、患部によってクローン病とも呼ばれ、国の難病に指定されています。
私が学生のころは「クローン病」しか聞いたことが無く、「まれに起こる難病」という認識でした。
当時は原因不明の疾患を、本態性とか特発性と表現することが多かったのですが、いつのころからか自己免疫性疾患と考えられることが多くなり、免疫力を下げる薬を処方されることもあります。
免疫とは本来、自分を守ってくれるもので、現代医学で「悪い免疫」などといわれると、悪者にされる体がかわいそうになります。
自然医学の食事療法は、体内の排毒(デトックス)と修復で、免疫力を含む自然治癒力を上げて治す治療法ですが、いわゆる自己免疫性疾患とされるリウマチなどの患者さんも回復していかれます。
潰瘍性大腸炎も、この40年余りで急激に国内の患者数が増えていて、1975年以降の食事と環境の変化に原因が求めらるように思います。
和歌山で代替医療をされている西本クリニックの西本真司院長は、ご自分の潰瘍性大腸炎を治されたご経験の中で、次のようにおっしゃっています。
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最初の緩解期(症状が落ち着く時期)に氣功の合宿に参加し、玄米、蕎麦、野菜中心のおかずを摂っていた1週間、驚くほど腸の調子が良かったことから、「よく噛みさえすれば、むしろ食物繊維の多い食品のほうが、健康的な便をつくるのに役立つ」という結論に至った。
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不治の病とされる潰瘍性大腸炎を克服された経験を活かし、現在ホリスティック医療を実践しておられる西本クリニックの良いところは、全面的に化学薬剤を否定するのではなく、緊急時には薬剤の力も借りながら、基礎となる自然治癒力を高めていき、やがて薬剤の必要ない身体に導くというところだと思います。
ホリスティック(全人的)医療というのは、体(Body)と心(Mind)と魂(Spirit)からアプローチするそうで、私は「魂」のところはよく分からないのですが、九州大学で魂や霊を研究しておられる教授のこととか、精神科医で過去生療法を行って高い治療効果を上げているというのは聞いたことがあります。
量子論の範囲で理解するなら、生命も体も実体のないエネルギーで出来ていて、そのエネルギー活動の世界は極めて多様で、過去も含めたいくつもの現実の中から、私たちは1つだけを実感(選択)して生きているらしいので、過去生というものが影響していてもおかしくはないのだろうと思います。
西本院長の治療を否定する人ももちろんいらっしゃって、「治るはずがない」とか「最近は良い薬剤も開発された」との意見も受け容れつつ、氏は「どんな治療を受けるかは患者さんの自由で、ただ、ガイドライン以外にも方法があるという事実を知ってほしい」とおっしゃっています。
8年前にお目に掛かった西本院長は、患者さんと毎年山登りや音楽などのイベントを楽しまれるそうで、心の在り方をとても重視されており、「患者さんがたくさん付いてきているので、私はもう再発するわけにはいかないんですよ」と笑顔でおっしゃっていました。
※グラフ画像:難病情報センターHPより
※参考文献:西本真司著「潰瘍性大腸炎 医師も患者もこうして治した」