デトックスとは「解毒」「排毒」を意味しますが、自然医学では、血液を浄化し毒素を体外に排出して細胞を造り変える立場から、主に「排毒」と呼んでいます。
「解毒」とは、体内で毒素を中和・無毒化することで、植物にはそうした機能ももちろんあります。
私たちは日常の生活の中で、大気汚染や薬物・合成物はもちろん、動物性食品による酸化や蛋白毒、ストレスによる活性酸素など、様々な毒物を蓄積して病気に至ります。
そこで昔から、瀉血や断食などの排毒(デトックス)が行われたのですが、最高のデトックスは「断食(ファスティング)」で、食べなければ体は生き延びるために体内成分をリサイクルし、悪いものを排出して良いもので再構築します。
しかし断食は、医療データをモニターしながら行わないと事故の危険性もあり、また現代人は体質の悪化から復食が難しくなっています。
自然医食は断食の約80%の効果ながら、20%を落とすことで断食でのリスクを回避し、食事をいただきながら治療します。
ところが、癌のように死を意識する病気なら真剣ですが、そうでなければ、これまで飽食を楽しんできた人が自然医食を行うことはなかなか難しいと感じます。
そこで私は、健康な人の食養生と病気治しの自然医食の中間として、「デトックスコース」を体験していただき、食材による健康効果を感じていただくようにしています。
どこが違うかというと、健康な方の和食コースと同じ品数で、前菜・刺身・焼物・煮物・揚物を、すべて上質な植物性の素材で調理し、さらに海藻料理を添えて副食とします。
主食は雑穀入りの玄米と味噌汁、梅干しと香の物ですので、これは副食が多すぎて治療食にはなりません。ただし、翌日は朝食を摂らず、プチ断食のあとブランチを摂るという1日2食です。
もともと昔の日本人は、朝起きて一仕事を終えてから遅い朝食を摂り、あとは夕食だけという1日2食だったとされ、特別なことではありません。
ここで私が解っていただきたいのは、過食に近い食事の量でも、植物性の副食と玄米で召し上がっていただくと、体の変化が感じられるということです。
殆どの方が「体が軽くなった」とか「楽になった」、「○○の不調が無くなった」「お通じが良くなった」など体感されます。
動物性食品はナトリウムで植物性食品はカリウムというのが食養生の基本で、動物性は体を酸化させますが植物性は還元し、しかも解毒作用や造血作用、細胞修復などの働きをもつ葉緑素も植物には豊富です。
こちらで料理したものを召し上がっていただくときは、私は「食べかた」だけしか申し上げません。
食べ方を身に付けていただけば、体感されたことをご自宅で再現するのは食材を選ぶだけですし、平日は仕事で食が乱れても、週末の食事をデトックスメニューにするのは可能ではないかと思うからです。
これまでの経験で、食事で体調が変わることを体感された方は、少しずつ食事を工夫され、食の改善に取り組んでいかれるように見受けられます。