主食とは

自然医学, 食養生

主食とは、その名のとおり「日常の食事の主」となる食物で、イヌイット(エスキモー)のような特殊な環境の住民を除けば、多国がまるで示し合わせたように禾穀類(かこくるい:炭水化物)を主としています。

その内容は、米、小麦、大麦、芋類、トウモロコシなどで、豆や果物類の場合もありますが、大きくはパンと米に分かれています。

以前は動物性食と予想されていた縄文人は、その後の研究で、実際には木の実や果実、芋などを多く食べていたことが判っており、ヒトは進化の過程で、生き延びるために多様な食物を摂取するようになったというのが正しいだろうと考えられています。

歯の構造でいうと、700万年前の初期猿人であるサヘラントロプス・チャデンシスは、門歯や犬歯は小さめで、臼歯は現代人の約2倍 ほどあり、木の実や果物、禾本科植物の実(穀類)を主食としたと推察されます。

食養生の祖である石塚左玄は、「古今東西どこの国でも穀類を何千年もの間、決して変わることの無い、必須で最も重要な主食としてきた」という事実から、無精白の穀類は「体を保ち長寿する道に叶った成分と、その比率をもっている」と述べています。

かつて、中国大陸で捕虜部隊の栄養失調やコレラを石塚左玄の食養法で救った軍医・沼田勇博士は、「人間の食性は穀類である」とする根拠に、『日本人の正しい食事』と題して次のように述べています。
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『人間が穀物を食べる動物である証拠は、肉食および草食動物にはないアミラーゼ(澱粉分解酵素)を唾液の中にもっていることです。人類は澱粉を含まない母乳を唯一の栄養としている乳児時代に、すでに大人の10分の1程度の澱粉分解酵素を、その唾液の中に持っていて、多少でも澱粉(穀物食)を含む食事を与えられると、すぐさま大人なみの酵素を分泌できるようになる仕組みになっています。
この現象は、肉食動物や草食動物には見られません。両者には澱粉分解酵素はなく、人間の唾液に蛋白質分解酵素がないことを合わせ考えると、人間は少なくとも澱粉食を摂る動物であることが理解できるでしょう。人間の唾液中の澱粉分解酵素は、また、食塩によって活性化されるため、穀物を食べる限り塩が要求されるのです』
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自然医学の森下敬一博士は、現代栄養学の「色々な食物をバランスよく」との考えに対し、「一見すると合理的なようで、現実には不可能に近い空論」と指摘しています。

なぜなら、栄養価というものは食品によって決まるものではなく、食べる人の生活条件や体質(体内の条件)によって相対的に定まるもので、栄養的なバランスを完全に保つためには、バランスを考える必要のない食事を摂る以外に道は無いと述べ、以下の理由から主食中心の食生活を是とし、自然医食として確立した食事療法で実績を残しています。

『人間の主食である穀類は、禾本科(かほんか:イネ科)植物の「種(たね)」であり、そこには将来、植物の葉や根になるべき一切のものが含まれる理想的な食品で、主食を中心とする限り副食はほとんど考える必要が無く、少量の下等小動物と少量の野菜があれば良い。
ただし、米は玄米パンは黒パンでなければ、完全栄養食にはならないことに注意しなくてはならない』と述べています。

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