蛋白質について 1

自然医学

どんな生物でも、生命を繋いでいくものである限り蛋白質を有しています。

なぜなら、蛋白質はアミノ酸配列によって、その生物特有の遺伝子を構成するための情報を担っているからです。

しかし「蛋白質」というと、現代は動物性食品を考える場合がほとんどで、かろうじて植物では大豆が相手にされるくらいでしょうか。

その理由は、食品の成分分析によって、蛋白質の含有量が多いということでしょう。

そして、現代医学・栄養学の健康論では蛋白質信仰ともいうべきものがあり、「蛋白質を摂らなければならない」「特に動物性のものが良質」といった傾向があります。

これは「ヒトの体は蛋白質でできているから蛋白質が必要」「動物であるヒトには動物性のタンパク質が良い」とう考えに基づくようです。

この直線的な思考の流れは、「ヒトにはヒトのタンパク質が良く、できるなら自分のタンパク質がベスト」という結論に行きつくことになります。

動物性蛋白質偏重論を生み出したのは、ヨーロッパの四大定律によるといいます。
・直線的思考
・不可逆的思考
・分析的・局所的思考
・排中立思考

蛋白偏重論に限らず、ヨーロッパで生まれた「科学的思考」とは四大定律が基本となっており、これは「機械論」であって、クルマやジェット機、宇宙ロケットなどに目覚ましい威力を発揮しています。

しかし、こと自然現象や生命現象には通用せず、それらは直線ではなく波動であり、体内の反応は可逆的であり、生命現象はダイナミックであり、その過程は混沌としています。

自然および生命現象においては、科学で捉えたつもりのものは断片であって、細切れにして全体を理解しようとする西洋思想よりも、因果応報の発想や回帰または輪廻などの東洋思想のほうが適切だと思われます。

血液生理学がご専門だった森下博士は、永年の研究の中で、国民の奇異な現象に気付いて調べられた内容が、50年も前の著書に記されています。
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赤十字血液センター時代、献血を申し出た延べ4万人のうち、女性の30%、男性の7%が貧血で採血不能であった。
同時に調査した食事内容を見ると、栄養不足どころか、逆に蛋白質の摂りすぎといえる状態であった。
食料難の時代ならともかく、食料が有り余っている現在の日本で不可思議な現象だと思われるかもしれないが、同じ貧血でも、最近の貧血は血液中の血漿蛋白量が異常に多い。いわば、高蛋白性の貧血ともいえるものだ。
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※参考文献:森下敬一著「自然医学の基礎」、「肉食亡国論」

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