食養生とは、食べ物に始まり、体や心のあり方を正して健康を維持することです。
このサイトは、生涯健康で楽しく生きることを最大のテーマとし喜びとしている「すこやかの会」が、志を同じくする方々と喜びを分かち合いたく、生活習慣病の予防や改善に役立つ有益な情報を提供することを目的としています。
健康は自分だけのものであり、たとえ身内といえども他者の考えは変えられません。
たとえ寝たきりでもいいから飽食を満喫するのが幸せなら、それも1つの選択ですから、そのような価値観や人生を否定するものではありません。
しかし、もし生涯健康であるための知恵を求め、生活改善を希望しておられるなら、そうした方々に向けて実績ある確かな情報と知識を、できる限り解りやすく、実生活に即した内容でお伝えしたいと思います。
健康とは、様々な要素が絡み合う極めて総合的なものですから、「絶対」はありません。
しかしながら、病気を避けるための食事や生き方には、ある程度のセオリーがあります。(その背景は、ヒトの身体の仕組みだけでなく、地球の誕生から生命の発生、宇宙&生命エネルギーの流れにまでさかのぼり、会員専用の「食事療法セミナー」のページで紹介いたします)
もし、あなたが実年齢より外見が若く、体調のトラブルも無いまま長寿を全うされるなら、その生き方は正しいのだと思います。
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「食養」という言葉は、東洋医学の家系に育った石塚左玄という明治時代の医師が、医食同源として提唱しました。いち早く食物と心身の関係を理論づけ、「食育」という造語を唱えて食事の大切さを説いています。市ヶ谷の自宅に「石塚食療所」を開き、日本人の食性にあった治療には、全国から患者が殺到したと伝えられます。
かつての中国では「食医」とよばれる食事で病気を治す医師が最も地位が高かったとされ、石塚左玄は日本の食医といわれて、その功績は明治天皇の耳にも届いていました。
現・国立健康栄養研究所の創立時に、食養生が明治政府の意向であったにもかかわらず、現代栄養学に取って代わられ、近代医学の発展とともに「食事で病気を治す」という考え方は葬り去られてしまいました。
結果として、日本人の病気が減り健康になったかというと、病気は多様化した上に増え続けています。
そうした結果を見るとき、本来なら反省点を見出して、より良い施策を検討すべきでした。
明治8年に、伝統ある東洋医学を否定し、全面的に近代医学へと移行させた石黒忠悳軍医総監は、後になって、郷里の知人の病が近代医学で治らず、東洋医学によってのみ回復したことから自分の間違いに気付くのですが、ひとり静かに懺悔の文書を残しただけで、国民に向かって公表することは無かった、と「漢方の花(順天堂実記)」に記されています。
そのような時代にあっても、思想家の桜沢如一氏が食養生の流れを汲み「マクロビオティック」を、医師であり血液生理学者の森下敬一氏は独自の研究と桜沢氏との交流から「自然医食」と名付けた食事療法を確立しました。特に森下博士は、医学生時代からの研究を積み上げた「自然医学理論」を築き、50年以上に亘り末期癌などの慢性病患者を改善に導いてきた臨床の歴史があります。
病気を治す食養生は予防に最適であり、予防に勝る治療はありません。
<初めての方へ>
現在は健康情報が入り乱れ、収拾のつかない状態です。
テレビの番組でも、1つの食材を採り上げては有識者を招き、「それが総て」であるかのように紹介しています。一般の方々に解りやすいのかも知れませんが、度重なると何が真実か判らなくなってしまいます。
だれかの情報に振り回されるのではなく、ヒトの身体や生命の成り立ちを理解し、自らの健康観を確立して、それぞれの方が楽しみながら「疾病予防のできるライフスタイル」を築いていかれることを願っています。
食養生とか食事療法というと、多くの方が「難しい」とか「窮屈そうだ」と思われるかも知れません。
しかし私は、むしろ「自由になれる」と思っています。
食養生の基本を理解し、日常的に心身をつくり上げておけば、たまに羽目を外したり悪い物を食べたりしても、心配する必要はありません。
少々の脱線は、自分の体がきちんと元に戻してくれますし、トラブルを感じたときは「食養生でリセット」すれば良いのです。
健康とは極めて総合的なものであり、「これさえやれば大丈夫」というものは1つもありません。
たまに脱線するときは、「ラッキー!」と思いながらいただき、幸福感に浸るのが得策です。
それよりも、現代栄養学の云う「〇〇成分が必要」とか「30品目」又は「まんべんなく食べる」とすると、食べ続けるか、山のようにサプリメントを摂らなくてはなりません。
逆に、食材の持っている一部の成分を捉えて「〇〇成分が△△に悪い」と言い始めると、楽しく食べられるものは無くなってしまいます。
この方が、ずっと窮屈でストレスになりますし、あるべき姿ではないと思うのです。

自然界にムダなものはありません。総てが繋がって、互いにバランスを取りながら存在しています。
そのバランスを壊すのは「人為的あるいは人工的なもの」だと考えて良いでしょう。人為的な介入が少ないうちは良いのですが、それが膨大になり、自然界の適応を越えたスピードで地球に変化を与えています。
分子生物学者の福岡伸一氏は、近年の天変地異を「地球のリベンジ」と表現しておられます。
ヒトの身体も同様です。小宇宙である動物の身体は、必要なものを合成し不要なものは排泄して、死ぬまで健康であるようバランスを取ろうとしています。
ですから、科学的に必要だからといって、あれもこれも食べるという「足し算の現代栄養学」で病気を治すことは出来ません。
飽食な現代こそ、悪いものを摂らない、そして毒物は排泄するという「引き算の食養生」が必要なのではないでしょうか。病気というのは、まさに「身体のリベンジ」といえるのです。
ただし、病気は敵ではなく、これまでの生活習慣に耐え切れなくなった身体が、「命を守るために生活を変えてほしい」と必死で訴えている『悲痛な叫び』と理解できます。
生物に「絶対」はありません。置かれた環境の中で、個体が生きながらえるための適応や進化を遂げ、現在もそれは続いています。
この、生物が生きながらえるためのシステムを「壊さない」、或は「最大限に活かす」ための方法が食養生だとご理解ください。
注1)漢字について
「身体」⇒精神面も含めた全身 「体」⇒心を切り離した肉体
注2)ご参考までに
一病息災というのもありますが、本サイトで考える「健康の主な目安」は以下です。
- 手足の冷えが無い
- 不眠が無い
- 標準的な生化学・血液検査で特に問題が無い
- 翌朝に前日の疲れが残っていない
- 姿勢が良い